日本でも夏に公開された『トランスフォーマー ロストエイジ』という元々日本原作でハリウッドで実写映画化したシリーズ4作目にもなる映画があって、それの全世界での興行収入が1000億円を超えたそうです。
『トランスフォーマー』はアメリカでも日本でもそれなりに人気があるけどそれ以上に中国で人気が高いらしく、シリーズ4作目の今作は中国に関する内容がかなり盛り込まれていて中国市場を気にしていることがよくわかる内容になっていて制作費が200億円ということで非常にお金をかけて作られていて、製作段階から様々なスポンサー企業がついていてスポンサー企業の商品や場所などが実際の劇中で沢山登場していて、それによって映画の上映時間が3時間近くにもなっているというような話を映画評論家の町山さんがラジオで話して話題になった。
日本の年間の興行収入は2000億弱なので、日本の映画の市場規模はトランスフォーマー2個分しかないということになる(映画館の年間の映画料金の合計なので映画DVD等の売上は含まれていない)
日本の興行収入(2012年) 1951億9000万円
トランスフォーマー ロストエイジ(世界) 約1052億円
(マイナビニュースとnippon.comより)
『トランスフォーマー』という映画1作だけで日本の映画市場規模の半分以上もの売上を上げている。
これの何が問題かというと、世界全体から見て日本の映画市場の規模は小さいから、日本で作る映画は世界中で観られる作品を作っていく必要がある。そうしないと日本人だけに向けた映画を作っていると小さな売上しか見込めない。でも現状だとほとんど日本国内だけに向けられた閉鎖的な作品が大半だ。
そうなると利益がでないので、次の作品にお金を回すこともできなくなる。そうなると、日本よりお金と時間をかけて高いクオリティで作られた海外の作品に勝つことが出来ない。お金をかければ良い作品が出来るというわけではないがお金がなければ時間をかけることも出来ないので、限られた時間の中で無理矢理にでも完成させなければいけなくなる。そうなるとどんどん競争力が落ちてますます高いクオリティの海外作品に勝つことができなくなる。
ただ本当に良い作品であれば一気にネットを通じて全世界に広まる可能性があるので、そういったことを狙って、最初から世界中で観られることを前提に作ることが重要だと思う。海外で見せることを前提としているか日本人だけが観てくれればいいという前提で作るのかで作品へのアプローチは全く違うと思う(これは映画に限らずゲームであったりWEBサービスでも同じだろうけど)。
日本人向けであれば例えば食文化であったり学校のシステムであったりをほとんど説明することなく背景を共有することができるけど、海外を考えると、「なんとなくわかるだろう」という姿勢では許されないかもしれない。
全く違う文化や言語の人達の目に触れることを前提として、世界中が共感できる事を、日本だから説得力を持たせられるものや強みを利用して世界に通じる作品が生まれるようになっていけばいいなと思う。とはいえ非常に難しい。だからまずは世界に見せるという姿勢を本気で持てるかが重要なんじゃないかと思う。そしてこの世界を目指すということを本気で目指すのが非常に難しい。
日本の映画市場の規模はトランスフォーマー2個分しかない
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