2018〜2019年にかけてのviviane社を振り返る

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今日は最近のうちの会社がどんな感じなのかということをざっくりここ数年の流れから書きます。あんまり昔のことを書いても仕方ないので現在やこれからのことを書きたいですが、2018年〜2019年にかけていろいろあった割に外には一切発信してなかったので今回はそのあたりを振り返ることにします。。

いきなり話がそれますが、社内ではコミュニケーションツールとしてSlackを使っているのですがその中で『分報』という仕組みを取り入れてます。Slackは目的毎にChannelがあって、そこで必要なコミュニケーションを自由に取るものです。書くほどではないかなと思う些細な事柄やどうでもいい個人的なことはrandomという雑談Channelなんかで話すものだと思いますが、とはいえrandomでも全員入ってる故に意外と書きづらかったりするので、パブリックな個人用のChannelを全員が持つようにしてます、これが分報です。つまり社内Twitterですね。

業務でちょっと困ってるけど相談するほどではない些細なこととかメモとか独り言を書くみたいな運用をしています。みんななに考えてるかとか、何にハマってるかとかわかって面白いです。(やっていないスタートアップにはぜひおすすめしたいです。人数が100人超えてくるとなかなかすごい情報量になりそう)

分報で僕も考えてることをよく書いているのでそれならばと趣味を兼ねてブログの頻度も上げることにしました。個人としてだけでなく、会社としてもプレスリリースなどの形で、去年くらいから少しずつ情報増やしています。直近1年だとこんな感じ。

・2019年3月4日:エンジェル投資家からの資金調達
・2020年3月3日:トミムラコタ氏描き下ろしによるリニューアル
・2020年3月23日:ファンコミュニケーションズと資本業務提携
・2020年5月8日:在宅勤務の福利厚生として全従業員に上限3万円を支給

で、ここ数年のハイライトとなる出来事としてはなんといっても、2018年後半に会社がキャッシュアウトしそうになったということでしょう。これまでにも創業以来キャッシュアウトしそうになったことは何度も何度もあったのですが、これまでと違ったのはオフィス拡大&大幅採用してキャッシュアウトしかけてしまい、結局沢山の人にやめてもらうことになった点です。

なぜそうなったかというと、事業伸ばしていこうということで事業計画と採用計画も作り、30人近くまで採用をし続け、採用ほど事業の進捗は進んでいないものの10坪のオフィスはさすがに狭すぎてヤバいということで3倍の広さのオフィスに移転準備をしていたところ、Googleのアルゴリズムのアップデートがあり、ciatr[シアター]のトラフィックが激減、連動して売上も下がり始め、オフィス移転が完了する頃にはあと数カ月分の運転資金しか残っていない状況に…。(事業計画を作っても、売上計画は完全にコントロールすることが出来ないので計画を下回りやすく、一方で採用などお金を使う計画に関しては自分達でほぼコントロール出来るため、往々にして支出だけ計画通りに進んでしまうことを京セラ創業者の稲盛和夫さんが書籍の中で指摘しており深海の海底に到達する如く深く納得しました。ちなみに稲盛さんはそれもあり状況は常に変化するため数年単位での事業計画は立てない派なのだそう)

対策を進めるもののなかなか状況は良くならず、このままではいよいよヤバい!!今は平時ではなく戦時であるとスイッチを切り替えて、全員集めて危機感の共有をしました。そしてまずは支出を徹底的に下げるべく、聖域ない人員整理のために一人ひとりと話し合い、社員・業務委託問わず半分近くの人にやめてもらいました。苦しい状況でも同じ方向を向いて一緒に会社を伸ばす気がある人だけ残ってもらい、どうしても今いなければいけない人以外、そしてやり方に不満がある人や本当にやりたいことは別にあるという人も全員やめてもらいました。理解してくれる人、反感があって対立してしまう人、残りたいと泣いてくれる人、それぞれと一対一で向き合って本音で人の感情と向き合うのはなかなかにハードな作業でした。

それからサーバー費やツール費や消耗品など経費として減らせるものはないかを徹底的に洗い出して、毎月の支出を下げていきました。このあたりが落ち着くと、移転して賑わうはずだった広いオフィスから人が一気に減って、ガラーンと寂しい空間になりました。(オフィスも賃料高くてもったいないので速攻の縮小移転も考えましたが、悔しい思いを忘れないため継続することにしました)

その上で、何があっても会社を潰さないために、当面の資金の確保をしなければいけません。しかし会社移転の数ヶ月ほど前に既に日本政策金融公庫から数千万円の借り入れをしておりそもそもそれを原資にオフィス移転をしていたので、追加融資は厳しい状況でした。

そこでこの戦時を乗り越えて、会社を急激にV字回復からの再成長を描くためにも経験豊富な仲間がいたほうが良いと考え、既存株主で創業時からお世話になりっぱなしの投資家であるイトケンさんに加えて、事業経験豊富で広告に詳しいファンコミュニケーションズ創業者の柳澤安慶さん、ラクスル創業から会社ステージ毎の組織の問題に向き合って人事マネージャーをやってきた河合聡一郎さんなどにエンジェル投資をしていただき、株主になってもらいました。

そうやってなんとか危機を乗り越えたのが、2018年末です。そこからは数ヶ月で無事に売上もV字回復し、売上記録を更新するようにまでなりました。そしてなんといっても、この貴重なハードシングスを経験した主要メンバーは精神的にも実行力としても圧倒的に強くなり、現在では経営意識を持つかなり頼もしくて強いチームになりました。自分達で危機を乗り越えたという自信もついて、団結力もかなり上がったと思います。失敗が見事に糧となりハッピー。

ここまでが2019年前半あたり。

これから会社をどうしたいのか?

再度会社は軌道に乗り始めたものの、とはいえ全員合わせて20人足らずの小さい会社。これから会社をどうしたいのかということは、会社が危機的状況になった頃からいろんな人に相談をする中でもずっと考えていました。会社を売却するか、それとも上場を目指すのか。自分はどうしたいのか?その時は、会社売却も視野に入れつつIPOも目指そうと考えていました。

しかし株主の柳澤さんとご飯に行かせていただいた際に「社長が売却かIPOか迷ってるなんて言ってたら社員が一番困っちゃう。そんなこと言うのはやめたほうがいい」と言われてハッとしました。めちゃ納得!

自分は、のんびりと中小企業として長くほそぼそとやっていきたいわけではない。限られた人生の時間の中で、今やっていることだけではなく、現在では手が届かないような大きなことをやっていきたい。世界を変えるような大きな事業をやりたいし、インターネットだけに留まらず様々なビジネスや他にもやってみたいことも沢山ある。

それに、ちょっと成功してのんびり生きるという生き方をするつもりもない。死ぬ直前まで必死に働き、死ぬまで学び続けていたい。謙虚にいつまでも学ぶ、老いて目が悪くなったら拡大鏡を使って1文字ずつでも本を読み、視力を完全に失うことがあれば音声で聞いて学ぶ。それくらい貪欲に楽しく学び働きたい。

そういう生き方をするのであれば、選択は一択。目指すところから考えると、この小さく何も成し遂げていない段階では会社売却するか悩むこと自体ありえないはず。なんとしても上場し、世界的な企業を目指す。

それからというもの、とにかく沢山の大なり小なりアイデアを考えては、ディスカッションし、仮説検証のためにやってみては潰しを繰り返して様々な試行錯誤をしていったのが2019年後半になります。そうやって長く運営しているciatrをさらに伸ばすのはもちろん、新しい事業についても準備していっているのが現在になります。

過去はこれくらいにして、次からは現在編でいきます。

写真は、渋谷神泉にあるよく行く海鮮居酒屋『和田丸』のランチメニューであるピリ辛海鮮丼。めちゃおいしくて弊社の御用達です。今は新型コロナで縮小営業で予防対策しながらランチやってました。応援。テイクアウトもやってました。