鹿の狩猟体験をした〜聖なる鹿殺し〜

2019年02月23日

2月中旬に、狩猟に興味を持って狩猟体験に行ってきました。神奈川県の蓑毛(みのげ)というところにある大山(おおやま)。

ちなみに現代の狩猟をめぐる状況としては、日本では害獣による被害というのは年々増加している。狩猟を行っている人たちも年々高齢化していっているという問題があるそう。

私は狩猟免許を持っていないので、当然銃を打つことはできませんが、狩った動物の血抜きや解体などは行なえます。

早朝から電車で蓑毛へ。

狩猟グループの人たちと合流。数匹の狩猟犬を使う。狩猟犬が吠えながら山を走り回り、鹿を反対側の山の方へ誘導する。狩猟のイメージとして一人で山へ行き獲物を撃つイメージもあるが、趣味だとそれでも良いが実際には犬を使って複数人でやらないと安定して狩ることは難しいらしい。

以下、鹿の解体の様子などあるので苦手な方は注意してください

伝統的な狩猟の方法として『勢子(せこ)』と呼ばれる犬をコントロールして対象動物を誘導する役割の人と、『マタギ』と呼ばれる猟銃でテリトリー内に入ってきた動物を撃つ役割に分かれる。

人も犬にはGPSをつけていて、マタギ、勢子、犬のすべての位置を全員把握できるようになっている。マタギが銃を構えているエリアに入ると危ないので、私は安全なエリアでしばらく待機となった。その間、何度も近くを走っていた。犬によってはかなり同じエリアを走り回っているようで、かつめちゃくちゃ吠えるので、普通の登山客は驚いていた。登山してたらGPSつけた猟犬が走りながら吠えるのだから知らないと怖い。

しばらくすると何発か銃声が聞こえて、鹿に命中したようだった。それで近づいてもOKとなって、鹿が横たわっている場所に向かった。犬が自分の獲物だと思っているのかかなりしつこく噛み付いていた。鹿のお尻付近が噛みやすいらしく、その部分は後で解体した時に肉がかなりぐちゃぐちゃになっていた。

通常であれば血抜きだけして、解体場で丁寧に解体するが、今回は山奥で運ぶのが困難なため、その場で解体する。首付近にナイフを入れて十分に血抜きをする。これをしないと肉が臭くなるそう。

それから鹿をうつ伏せにして、ナイフを入れて皮をはぎ、解体していく。

鹿は繁殖力が高く、高確率でメスは子供を宿しているそう。実際、今回もメスがいて、解体後に腹の中に手を突っ込んで探すと胎児がいた。

胎児はあまり出回るものではないので、貴重な食材とのこと。白子みたいな食感で、鼻水のような味がするそう。

解体を手伝わせてもらったが、不慣れなこともあり、肉を傷つけず皮だけスーッとナイフで切り剥がし、肉を切り出す作業や、関節部分を外してバラすために筋を切っていったりといった作業は力も必要で疲れた。

最終的にはこのように完全な食材としての肉になった。今回の狩猟を見学させてもらった際には3頭捕獲することができ、かなりの量の肉を分けてもらった。ただスーパーで買ってくる肉とは違い、下処理が必要となる。簡易的な血抜きだけのため、ぬるま湯で揉んで血抜きをしたり、肉のまわりの筋膜を剥がしたりする必要がある。そうしないと肉が臭かったり固かったりするそう。

また今回はメスしか見なかったが、オスのほうが臭いがきついそうだ。そして、知らなかった事実として、狩猟免許を取れば自由に狩りを楽しめるというものではないそうだ。許可が取れていて問題のないエリアでも、狩猟者の親方と呼ばれる人たちでそれぞれ山ごとに縄張りがあるらしい。だからその縄張り内で勝手に狩猟をすると追い出されるらしい。故に、孤高なハンターみたいな感じで気ままにハントを楽しむことは実際には難しく、どこかの狩猟グループに所属してそこで狩猟をする必要があるそうだ。これは特に自治体で決められているエリアがあるとかではなく、伝統的にそういう風になっているらしい。

免許さえ取ればどこでも狩猟をやってOKだと、別々の狩猟者同士で鉢合った時に危ないこともあるだろうなと思う半面、村社会のような閉鎖的な雰囲気も感じた。そういった事情もあり、狩猟免許を取っても狩猟をする場所がなく、結局3年毎の狩猟免許の更新をせずにやめてしまう人が多いそうだ。

これは納得。それにしても朝早く非常に眠かったが、良い経験でした。猟銃によるハントは2月末までで、春や夏などは罠などによる捕獲を行うらしい。山の中で鹿を追っている時間よりも、終わったあとに山を走り回る何匹もの犬を回収するほうが時間がかかっていた。